Fluxbox apps
    アプリケーションごとのウィンドウ設定

                                           Last update: 2010/04/15
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fluxbox セッション下で起動するアプリケーション・ウィンドウのサイズや表
示位置などのウィンドウ情報は、~/.fluxbox/apps (以下、単に apps ファイ
ルと表記) により管理する事が出来ます。
通常は各アプリケーションのウィンドウメニュー - [記憶させる...] により
保存されたウィンドウの状態が、apps ファイルに保存されますが、このファ
イルをエディタなどで直接編集する事により、ウィンドウ起動時の状態を制御
する事も可能です。

このドキュメントでは、fluxbox manpage - (APPLICATIONS の項) の翻訳を元
に、apps ファイルの運用方法と書式に付いて述べています。

目次
    ウィンドウ名の調べ方
    アプリケーションの指定方法
    アプリケーションごとの設定
    タブ・グループの設定
    スタートアップの設定
    apps ファイルの記述例


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ウィンドウ名 の調べ方

アプリケーション(コマンド)名とウィンドウ名は必ず一致するとは限りません。
そこで、アプリケーション・ウィンドウを管理するには、まず、そのウィンド
ウ名を調べる必要が有ります。
ウィンドウの各属性(プロパティ) は、xprop コマンドにより調べる事が出来
ます。

apps ファイルは、xprop コマンドで得られるウィンドウ属性情報の内、
 
name
 :
ウィンドウの 名前(WM_CLASSの最初のフィールド)  
 

class  :
ウィンドウの クラス(WM_CLASSの2番目のフィールド)


title  :
ウィンドウの タイトル(WM_NAME プロパティ)

role
 : 
ウィンドウの 役割(WM_WINDOW_ROLE プロパティ)
の四種類が使用可能です。
(※各アプリケーション・ウィンドウが上記全てのプロパティを 持っている訳
では有りません)


例えば、name、class 各属性を調べるには、
 $  xprop | grep WM_CLASS
 
で、表示される十字カーソルで、調べたいウィンドウをクリックします。
例えば、xterm のウィンドウをクリックして、
 WM_CLASS(STRING) = "xterm", "XTerm"
と、表示された場合は、"xterm" が name、"XTerm" が class だと知る事が出
来ます。
(※各値の文字列で、大文字/小文字は厳密に区別されます)

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アプリケー ションの指定方法

apps ファイルでアプリケーションを指定するには、前項で調べたウィンドウ
のプロパティの値を使います。
一つのアプリに対し、複数のプロパティが適用可能な場合は、複数指定する
事により、より限定的に指定する事が出来ます。
app 行の最後にブレース '{}' で括って数値を指定した時は、その数の分だけ
の該当アプリケーションに対してのみ設定が適用されます
(※デフォルトは、全ての該当アプリケーションに適用されま す)

(※[app] 行と関連した設定は、一時的(transient)なウインドウには適用され
ません。そのようなウィンドウに対しては、[app] ではなく [transient] を
使用して設定します)


以下は、apps ファイルにおけるアプリケーションの指定例です。
# 通常の xterm
[app] (name=xterm)

# 'xterm -name myshell' で起動した時の xterm

[app] (name=myshell)

# pidgin の「仲間リスト」ウィンドウ
[app] (role=buddy_list)

# 個々のホストの rdesktop ウィンドウ
[app] (title=rdesktop − hostname.*)

# pidgin の IRC ウィンドウ
[app] (pidgin) (title=#.*)

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アプ リケーションごとの設定

[app] タグのエントリ内では、以下のような項目の設定が可能です。
各々の項目名はブラケット[] で、設定値はブレース '{}' で囲みます。

・  [Workspace] {0−N}: アプリケーションが起動するワークスペースを指
    定します。ワークスペース番号は 0 から始まる数値で指定します。
    (※例: [Workspace] {2} → 3番目のワークスペースでの起動を指定)

・  [Dimensions] {Width Height}: アプリケーションウィンドウを、指定
    したピクセル数の幅と高さで開きます。

·  [Position] (参照点) {X Y}: アプリケーション・ウィンドウを、指定
    指定した場所で開きます。
    参照点には、以下のいずれかを、() で括って指定します。
        ·   TOPLEFT
        ·   TOP
        ·   TOPRIGHT
        ·   LEFT
        ·   CENTER
        ·   RIGHT
        ·   BOTTOMLEFT
        ·   BOTTOM
        ·   BOTTOMRIGHT
             (※TOP/ BOTTOM の代わりに 、UPPER/LOWER も使えるようです)

    必要なら参照点からの相対座標を {X Y} で指定します。
    デフォルトの参照点は左上隅(TOPLEFT)です。
     (※「終了時記憶内容を保存」した場合は、保存時に、左上隅からの相対
     座標に書き替えられます)

    例えば、参照点として LOWERRIGHT を指定した場合は、
    画面右下が基点となります。

・  [Layer] {番号}: ウィンドウを開くレイヤーを(番号)で指定します。各レ
    イヤーには、以下のような番号を与えられています。
        2 - ドック上層, 4 - ドック層, 6 - ウィンドウ層(最上層),
        8 - 通常ウィンドウ層, 10 - ウィンドウ層(最下層),
        12 - デスクトップ層

・  [Shaded] {yes|no}: ウィンドウを開く時、タイトルバーに格納(シェー
        ド化)するか否かを指定します。

·  [Tab] {yes|no}: 他のウィンドウとのタブ・グループ化を許可するかど
        うかを指定します。

·  [IconHidden] {yes|no}: アプリケーション名をアイコンバー上(タスク
        リスト部)で隠す(リストしない)か否かを指定します。

·  [FocusHidden] {yes|no}: Next/PrevWindow によるフォーカス循環から
        除外するか否かを指定します。

·  [Hidden] {yes|no}: [IconHidden] と [FocusHidden] を併せて設定しま
        す。

·  [Deco] {NONE|NORMAL|TOOL|TINY|BORDER}: ウィンドウ装飾設定。
        以下は、装飾設定の規定値です。
               o   NORMAL − 通常の装飾
               o   NONE − ウィンドウ装飾無し
               o   BORDER − ウィンドウ枠以外の装飾無し
               o   TINY − 最小化ボタンのみのタイトルバー
               o   TOOL − タイトルバーのみ

        ビットマスクにより、よりきめ細かな設定が出来ます。
        各ビット("1" 〜"1<<10"(1〜1024))は以下を意味し、各ビットの和を
        設定値とします:
        例: [Deco] {6}
            ハンドル/グリップ(2) + ウィンドウ枠(4) のみ
        (※ fluxbox-1.1.1 では 1,2,4 以外のビットに付いては作動確認出
        来ていません)

       
タイトルバー    1


ハンドル/グリップ    2


ウィンドウ枠    4


最小化ボタン    8


最大化ボタン   16


閉じるボタン   32


ウィンドウメニュー有効   64


スティッキーボタン  128


シェード化ボタン  256


タブグループ化有効  512


フォーカス許可 1024



·  [Sticky] {yes|no}: ウィンドウを開く時、全ワークスペースで表示
        (スティッキー化)するか否か。

·  [Jump] {yes|no}: ワークスペースへ移動するか否か。
        [Workspace] が設定されている時だけ有効です。'yes' の時は該当ア
        プリを起動すると、カレントワークスペースを [Workspace] で指定
        したワークスペースに変更します。

·  [Close] {yes|no}: ウィンドウを閉じる時、現在の各設定を保存するか
        否かを設定します。デフォルトでは「保存」されません。
        'yes' の時はウィンドウを閉じた時の各状態が保存されます。

·  [Alpha] {int [int]}: それぞれの数値で、フォーカス/非フォーカス
        ウィンドウの透明度(アルファ値)を指定します。数値を一つだけ指定
        した時は、両者の透明度に適用されます。

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タブ・グループの 設定

[group] タグのエントリ内に、[apps] タグを含める事により、該当アプリケ
ーションを起動時よりタブグループ化する事が出来ます。
※従来は ~/.fluxbox/groups により指定していましたが、今後はこちらが推
されるようです。

タブグループ化するには、[group] タグの後ろに複数の [app] タグとアプリ
ケーションごとの設定を記述し、最後に[end] を置きます。
[group] タグの後に [Workspace] を指定すると、グループに属するアプリケー
ションの新規ウィンドウは該当ワークスペースで、タブ・グループ化されます。
同様に、グループに対して、ウィンドウサイズや表示位置などを指定する事も
可能です。

[group]  (workspace=[current])
 [app] (name=Navigator)
 [app] (name=Download)
 [app] (name=Places)
[end]

上の例では、firefox のブラウザウィンドウ、ダウンロードマネージャ、ブッ
クマークマネージャ(履歴とブックマークの管理)をグループ化しています。

※ちなみに firehox のブックマークの管理画面上で URL をクリックすると、
自動的にブラウザ画面がアクティブになります。
ブックマーク上の多くの URL にアクセスするような時、ブックマークメニュ
ーをその都度開くのは結構な手間ですが、「ブックマークの管理」ウィンドウ
上で複数の URL を選択し、右クリック → [タブですべて開く] を選ぶと、そ
のままブラウザ画面に切り替わり、選択した URL を全て一機にタブで開く事
ができ、とても便利です。
こんな時も、ブラウザウィンドウとブックマーク管理ウィンドウがタブ化して
有れば、サイズや表示位置上の違和感が無く、スムーズに各ウィンドウを切り
替える事が出来ます。

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スタートアップ の設定

[startup] タグにより、fluxbox 起動時に起動するアプリケーションを指定
する事が出来ます。
例: [startup] {xterm}
※従来、初期起動アプリケーションは ~/.fluxbox/startup スクリプトのみで
設定可能でしたが、[startup] タグを利用する事により、より簡単に設定する
事が可能になりました。


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apps ファイルの記述例

以下は apps ファイルの記述例です。
# fluxbox 起動時に xterm を起動する
[startup] {xterm}

# 最大2個までの "term" で終わる名前のアプリは
# 二番目のワークスペースで起動する
[app] (name=.*[tT]erm) {2}
  [Workspace]   {1}
[end]
# kate の "ウィンドウサイズ"、"表示場所"、"終了時の
#
設定 を保存" の設定
[app] (name=kate)
  [Dimensions]  {1022 747}
  [Position]    (WINCENTER) {0 0}
  [Close]       {yes}
[end]
# konqueror の "起動ワークスペース番号"、 "ウィンドウ
# サイズ"、
"表示場所"、"カレントワークス ペース変更の
# 可否" の設定

[app] (name=konqueror)
  [Workspace]   {1}
  [Dimensions]  {1006 749}
  [Position]    {16 0}
  [Jump]        {yes}
[end]
# aterm をウィンドウ装飾なしで起動する
[app] (name=aterm)
  [Deco]        {NONE}
[end]
# gimp の dock と toolbox をグループ化し、表示レイヤー
# を dock 層の最下層(レイヤー番号 4)とする。
[group]
  [app] (name=gimp) (role=gimp−dock)
  [app] (name=gimp) (role=gimp−toolbox)
  [Layer]       {4}
[end]

※'#' で始まる行は注釈です




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