AppDir
AppDir は Rox-Filer の独特な機能です。
以下のようなファイルで構成されたディレクトリを実行ファイルならぬ「実行ディレクトリ」としてアプリケーションの起動を行うことができます。
- AppRun (実行属性を持つスクリプト)
- .DirIcon (ディレクトリのアイコンとして表示される png 形式の画像ファイル)
- Appinfo.xml (ツールチップ等の AppDir の情報ファイル)
- Help/ (AppDir 用のドキュメントを納めたディレクトリ)
ファイルシステムとしては通常のディレクトリなのですが、実行属性を与えた AppRun を含むディレクトリをクリックすると、Rox-Filer はディレクトリを開く動作は行わず、AppRun のスクリプトを実行します。スクリプトを実行しないで AppDir をディレクトリとして開くには [Shift] キーを押しながらクリックします。
すべての要素がそろった見本として ROX-Filer ディレクトリを参考にしてください。
Rox-Filer のソース tar.gz を展開直後、ファイラーウィンドウ上でクリックすると、初回には
- ROX-Filer/AppRun --compile
が実行されます。コンパイルが終わったディレクトリ Rox-Filer は、AppDir として機能するようになり、その後のクリックに対してはファイラーウィンドウを表示するようなります。 rox-desktop-plus に含まれるアプリケーション類の中にも、初回起動時に自動的にコンパイルされるものがあります。
.DirIcon は AppDir 以外のディレクトリでもディレクトリのアイコンイメージとして機能します。
「アプリ起動は AppDir を用意しなければいけない」ということではありません。実行属性を持ったスクリプトは他のファイルマネージャ同様にクリックすれば機能します。ディレクトリを含め、右クリックメニューからアイコンを設定することも可能です。
アプリケーション起動用の AppDir をまとめた当サイトのオリジナル拡張パッケージがあります。
ディレクトリの移動
ROX-Filer にはディレクトリツリーを表示する機能はありません。上位のディレクトリに移動するには、ツールバーの「親ディレクトリに移動」ボタン、下位のディレクトリに移動するにはディレクトリアイコンをクリックしてを移動するのが基本になります。
しかし、ROX-Filer には「ツリーは不要」と納得できるクイックアクセス機能があります。「少しシェルっぽいファイルマネージャ」だと思ってください。素早く上位ディレクトリに移動し、補完機能を利用しながらディレクトリをたどっていくというような使いかたを得意とします。それ以外に 2 種類のブックマーク機能、履歴機能などがあります。
パス入力.jpeg
パス入力機能
[/] キー を押すとファイラーウィンドウ下端に「Goto:」という表示と 1 行分のウィンドウが現れます。このウィンドウには現在のディレクトリパスが表示されます。
[Back Space] キーで上位のディレクトリに移動します。下位のディレクトリ移動する場合は、ディレクトリネームの先頭文字をタイプすると、該当ディレクトリが点線で囲まれてフォーカスします。Tab キーを押すと、補完機能が働いて、同時にそのディレクトリ内に降りることができます(Enter キーでも可能です)。
該当ディレクトリが複数ある場合は、続く文字をタイプして絞りこんだり、カーソルキーで目的のディレクトリをにフォーカスを移動、Tab (または Enter) します。このときフォーカスはパス入力の補完候補対象だけを移動します。
パス入力ウィンドウが開いていると、一部のショートカットが機能しなくなります。パス入力ウィンドウを閉じるには Esc キーを使います。
ブックマーク機能
ROX-Filer には 2 種類のブックマーク機能があります。
ツールバーの「ブックマークメニュー」ボタン
クリックすると、登録されているブックマークの一覧以外にブックマークへの追加、管理、このログインで利用したディレクトリの履歴メニューがあるダイアログが表示されます。
「ブックマークメニュー」ボタンには初期値では ctrl + B が割り当てられていますから、
- ctrl + B でブックマークメニューを表示
- カーソルキーでブックマークを選択
- enter キーで移動
というような移動が可能です。
ショートカットキーによるブックマーク
1 〜 0 のそれぞれの数字キーにディレクトリをひとつずつ関連付けることができます。現在開いているディレクトリで Ctrl キーと任意の数字キーを同時押しするとブックマークされます。数字キーを単独で押すと、登録したディレクトリが表示されるようになります。
「1 〜 5 は逐次変更しながらダイナミックに使う。6 〜 0 は特定のディレクトリ固定」など、自分でルールを決めてみてください。
アイテム(ファイル/ディレクトリ)のコピー、移動
ドラッグ & ドロップには Rox-Filer 独特の面白い機能があります。マウスの左ボタン、中ボタンが使用でき、それぞれにドロップ後の振舞いを設定できます。設定は「オプション設定」で行います。
ドラッグ & ドロップの設定画面
「ディレクトリのスプリングオープン」が有効になっている場合、アイテムをファイラーのディレクトリ項目上にドラッグしてかざすと、そのディレクトリが自動的に新しいファイラーウィンドウで開きます。その中のサブディレクトリをたどっていくこともできます。
つかんでいたアイテムを離せば、ボタンに応じた振舞いを行い、自動的に開いたディレクトリは自動的に閉じます。
「実行可能なメニューを表示」ボタンでドラッグした場合は、
- コピー
- 移動
- Link(相対パス)
- Link(絶対パス)
の選択ダイアログが表示されます。このダイアログ以外をクリックすると、ドラッグ自体がキャンセルされます。
ファイラーウィンドウツールバーの「親ディレクトリに移動」、「ホームディレクトリに移動」もドラッグの対象になっています。
ターミナルエミュレータの利用
ファイラーウィンドウからターミナルエミュレータを起動できます。
上記の「パス入力」ウィンドウ以外に、shell 入力ウィンドウ、検索ウィンドウ、と豊富なウィンドウがファイラー下端に起動でき、機能に不足はないように見える Rox-Filer ですが、さらにターミナルエミュレータが起動してしまうと「文句は言わせない」感があります。
ターミナルエミュレータはファイラーが表示しているディレクトリをカレントに起動します。ファイラーウィンドウで目的のアイテムを目で確認してからショートカットキーでターミナルエミュレータを起動して作業するなど GUI と CUI がシームレスに作業できます。
現在の表示設定を保存
ディレクトリごとにその時点の表示設定を保存できます。右クリックメニューから設定します。
現在の表示設定を保存.jpeg
「通常はアイコン表示で a-z ソートだが、特定ディレクトリのみ詳細表示で日付けソート」など、ディレクトリごとに表示の設定を保存することができます。